コロナ後の食品市場の動向と業務用フードスライサーの役割とは?
公開:2024.09.10 更新:2024.09.10コロナ禍で食品業界は国内市場へシフトし、内需拡大を進めています。原材料と人件費の高騰が続き、価格上昇とインフレが課題です。省人化システムの普及で売上減少と失業が増加し、EC市場が急成長しています。フードスライサーの需要も拡大傾向です。
目次
食品業界をめぐる外部環境の変化は?
コロナ禍でインバウンド需要が消失したため、食品業界は国内市場にシフトしました。原材料と人件費の高騰で価格が上昇し、インフレが続いています。省人化システムの普及が進む一方で、売上減少により職を失う人も増えました。
◇内需回帰
新型コロナウイルス感染症の拡大前は、海外からの観光客の増加によってインバウンド需要が順調に伸び、食品業界も大きな恩恵を受けていました。
しかし、感染症の拡大によりインバウンド需要が見込めなくなったため、食品業界は国内市場に目を向け、内需の拡大や新たな需要の掘り起こしに大きくシフトしています。
◇原材料と人件費の高騰
コロナの影響だけではありませんが、コロナ禍から現在に至るまで原材料や人件費などの高騰により、あらゆる商品の価格上昇が止まらない状況となっています。食品産業も例外ではなく、食料品値上げのニュースが後を絶ちません。
人件費の高騰は、そこで働く人々の給料アップに繋がっていますが、給料の上昇度よりも物価の上昇度のほうが高く、現在もインフレの状態が続いています。
◇省人化・省力化
コロナ禍における行動制限は、食品産業にも大きな影響を与えました。人との接触を避ける必要が生じたことで、小売業界ではセルフレジが、飲食業界ではタッチパネルによる注文といった省人化システムが急速に普及しました。
しかし、省人化システムの普及や行動制限に伴う売上の減少などが影響し、コロナ禍で職を失った人も少なくありませんでした。
コロナ禍で変化する食品市場
食料品の購入方法は、かつての店舗からEC市場へと変化しています。オンラインでの購入やサブスクリプションサービスの利用が増え、コロナ禍でEC市場は急成長しました。また、テレワークの普及と自宅食の増加もライフスタイルを変え、飲食業界ではテイクアウトや宅配サービスが普及しています。
◇EC市場の拡大
ひと昔前までは、食料品を購入する際には小売店に直接足を運び、店舗で買うのが当たり前でした。しかし、現在では購入方法の選択肢が広がっています。その一つが、インターネット上で商品を購入する、いわゆるEC市場での買い物です。
ECとは「electronic commerce(電子商取引)」の略称で、以前は主に家電や家具、日用雑貨がインターネットで購入されていましたが、現在では食料品をオンラインで購入する人も増えています。
大手スーパーやコンビニエンスストアもEC市場に参入しており、買い物が難しい高齢者や、忙しくて仕事帰りに買い物できないサラリーマンなどの利用が増えています。また、コロナ禍における行動制限による利用者の急増も、EC市場の拡大に大きく貢献しました。
最近では、月額制で新鮮な野菜やミールキット、冷凍弁当などが定期的に届く食品のサブスクリプションサービスも増え、EC市場における食品分野は着実に拡大しています。
◇ライフスタイルの変化
新型コロナウイルス感染症の拡大により、私たちの働き方やライフスタイルは劇的に変化しました。働き方に関しては、テレワークの普及により、職場に出社せず自宅で仕事をする人が増え、テレワークという働き方がコロナ禍を経て定着しています。
この変化に伴い、自宅で食事をする機会が増えたことも、ライフスタイルの大きな変化のひとつと言えるでしょう。
しかし、自宅での食事機会が増えたからといって、必ずしも皆が自炊をしているわけではありません。コロナ禍を経て、飲食業界におけるサービスも変化しました。テイクアウト可能な飲食店が増え、その料理や食品を宅配するサービスも急速に普及しています。
このように、新型コロナウイルス感染症の拡大がもたらしたライフスタイルの変化は、食品市場にも大きな影響を与えています。
コロナ禍から回復傾向にある食品販売の現状
新型コロナの影響で食品販売は一時的に落ち込みましたが、スーパーやコンビニ、通販、外食産業の全体的な回復が進んでいます。特に通販では健康食品やサブスクリプションが人気で、外食ではテイクアウトやデリバリーが重要な収益源となっています。
◇スーパー・コンビニエンスストア
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛により、外食産業をはじめとする食品販売の売上は大きく落ち込みました。しかし、現在では食品販売は回復傾向にあります。それでは、現在の状況はどのようになっているのでしょうか。
スーパーやコンビニエンスストアでの食品販売は、徐々に以前の日常を取り戻しつつあり、外出自粛の緩和に伴って来店客数が増加しています。特に、惣菜や弁当、スナック類の売上が好調です。
また、消費者の健康志向や簡便さへのニーズが高まる中、栄養バランスを考慮した商品や冷凍食品、時短調理商品などが注目を集めています。コンビニエンスストアでは、非接触型の決済やデリバリーサービスの強化が進み、店舗の利便性もさらに向上しています。
一方で、仕入れコストの上昇や物流の課題は依然として残るものの、食品販売は回復の兆しを見せています。
◇通販
通販での食品販売は引き続き堅調な成長を見せています。自宅での食事需要が高まった影響で、オンラインでの食品購入が定着し、現在では健康食品や冷凍食品、長期保存可能な商品が人気です。また、サブスクリプションモデルを活用した定期配送サービスの利用者も増加しています。
ただし、コスト上昇や物流の負担といった課題は依然として存在しています。それにもかかわらず、消費者のニーズに応えるために企業間での競争がさらに激化しているのが現状です。
◇外食
外食産業では、飲食店の営業再開や需要の増加に伴い、食品販売が活発化しています。特に、パンデミック中に定着したテイクアウトやデリバリーサービスは、依然として重要な収益源となっています。
また、健康志向の高まりを背景に、オーガニックや低カロリーのメニュー、ビーガンやグルテンフリーなどの特定ニーズに応える商品が人気を集めています。
さらに、外食産業全体では、感染防止対策を講じつつ実店舗での集客も徐々に回復しており、飲食店はデジタル化や非接触型決済の導入にも力を入れています。原材料の高騰や人手不足といった課題は依然として残っていますが、全体的には回復基調にあります。
拡大するフードスライサーの市場
新型コロナウイルス感染症の拡大によって、最も打撃を受けたのは外食サービス産業で、多くの飲食店が営業時間の制限や休業を余儀なくされました。その結果、迅速かつ衛生的に大量の食材を切断し包装できる業務用のフードスライサーの需要が増大し、市場も拡大しました。
◇拡大する市場予測
業務用フードスライサーの市場は、食品加工業界の成長とともに拡大傾向にあると予測されています。特に精密なカットが求められる肉製品やパン、野菜などの加工分野での導入が進んでおり、食品の大量生産や効率的な加工が求められる業界では欠かせないアイテムです。
また、労働力不足に対応するための自動化技術も進展しており、フードスライサーの導入が効率化に貢献しています。
業務用フードスライサーは、大量の食品を短時間で均一にスライスできるため、作業のスピードアップに寄与します。さらに、肉やチーズ、野菜など様々な食品の厚さを均一にスライスでき、安全性も高く、ケガのリスクを軽減するための安全装置や自動停止機能を搭載したモデルも多く存在します。
また、業務用に適した頑丈な構造で、長時間の使用にも耐えうる高い耐久性も特徴です。今後も業務用フードスライサーの市場は、食品安全基準や消費者ニーズに合わせて進化していくと見られています。
◇多機能フードスライサーの例
フードスライサーの一例としてアサヒ産業のミニマルチスライサーを紹介します。このフードスライサーの特長は、オリジナルの多層刃による抜群の切れ味で、瞬時に肉や野菜を切断できることです。これにより、肉や野菜をあらかじめ冷凍する手間が省けます。
また、サビに強いステンレス製で、加工製品が触れる部分は工具なしで簡単に分解できるため、丸洗いも可能です。さらに、カバーを開けると機械が停止する安全装置も付いており、安全に使用できる点もこのフードスライサーの大きな特長です。
食品業界はコロナ禍による影響を受け、様々な変化が見られました。まず、コロナウイルスの影響で海外からの観光客が減少し、インバウンド需要が消失しました。このため、食品業界は国内市場にシフトし、内需の拡大や新たな需要の掘り起こしに力を入れています。
コロナ禍による原材料と人件費の高騰も大きな課題で、商品の価格上昇が続いており、インフレの状態が続いています。人件費の上昇は給料アップにつながっていますが、物価の上昇度がそれを上回っているため、生活の負担は増しています。
さらに、コロナ禍では省人化・省力化の進展が見られました。人との接触を避けるために、小売業界ではセルフレジ、飲食業界ではタッチパネル注文などの省人化システムが急速に普及しました。しかし、この省人化の進展や行動制限の影響で売上が減少し、職を失う人も増加しています。
一方、EC市場が急成長しました。従来は店舗での買い物が主流でしたが、現在ではオンラインでの食品購入が一般化しています。大手スーパーやコンビニもEC市場に参入し、サブスクリプションサービスが増加するなど、EC市場の拡大が続いています。
ライフスタイルの変化により、自宅での食事機会が増えた一方、自炊だけでなくテイクアウトや宅配サービスも普及しました。
食品販売の現状では、スーパーやコンビニの販売が回復傾向にあり、特に惣菜やスナック類が好調です。通販では健康食品や冷凍食品、サブスクリプションモデルが人気です。
外食産業もテイクアウトやデリバリーサービスが収益源となり、デジタル化が進んでいますが、原材料の高騰や人手不足の課題は依然として残っています。
業務用フードスライサーの市場も拡大しています。特に大量の食品を迅速かつ均一に加工するニーズが高まっており、フードスライサーの需要が増加しています。自動化技術の進展とともに、業務用フードスライサーの導入が効率化に貢献しています。
アサヒ産業のミニマルチスライサーのように、高い切れ味と安全性を兼ね備えた製品が注目されています。