鶏むね肉の加工機械で現場にマッチするスライサーとは?
公開:2024.07.24 更新:2024.07.24鶏むね肉は高タンパクで低脂肪、さらにイミダペプチドやビタミンが豊富で、疲労回復や旨味成分のイノシン酸も含まれています。ただし、肉質が硬めであるため、アサヒ産業の「水平切機HC-A2 HC-A3」やスペインのDIMAQ社製「EBAKI水平切りスライサー」といった業務用の食肉加工機械を使うと、鶏むね肉を効率よく処理できます。
水平切機HC-A2 HC-A3は、従来人手に依存していた作業を機械化し、2枚スライスや3枚スライスが容易に行え、分解・洗浄・メンテナンスも簡単です。EBAKI水平切りスライサーは、0.5mm厚のナイフを最大10枚装着可能で、瞬時に水平カットを実現し、バタフライカットも行えます。
目次
鶏むね肉の特徴とは?ささみとの違い
高タンパク・低脂肪の鶏むね肉は、子どもから高齢者まで幅広い世代で楽しめる食材です。焼く、揚げる、煮るなど、さまざまな料理で活躍しています。
◇鶏むね肉の特徴
鶏むね肉は、鶏の胸部に位置する大きな筋肉部分で、食感はやや硬め、味は比較的淡白なのが特徴です。
非常にリーズナブルであるにもかかわらず、疲労回復に効果をあらわすイミダペプチドやビタミンA、ビタミンB2などが豊富に含まれています。特に旨味成分であるイノシン酸は鶏もも肉よりも多く、鶏肉のうま味を感じたい方におすすめの部位です。
◇ささみとの違い
ささみは鶏の胸肉の一部で、内側にある小さな筋肉部分の名称です。胸肉に比べて細長い形をしており、鶏むね肉よりも柔らかく、上品で淡白な味が特徴です。脂質が鶏むね肉の半分以下であることから、脂質を抑えたい方が好む傾向にあります。
鶏むね肉カット機械の導入事例を解説
大量の鶏むね肉を効率よく扱うためには、業務用の食肉加工機械が必要不可欠です。実際の事例を見ながら、鶏肉加工全般の工程を見ていきましょう。
◇大量の鶏肉を扱う
食肉加工場では、1日に数千羽の鶏肉を処理することも珍しくありません。例えば山口県に拠点を置くミート工場では、58人の工場スタッフが、毎日入荷する約5,000羽の鶏に対応しています。
前日に処理された鶏肉が毎朝7時に冷蔵トラックで到着し、入荷後は冷蔵庫に保管して新鮮なうちに処理を施します。最初の作業はカットで、鶏むね肉の場合は細切れ肉や薄切りにカットした後、異物が混入していないかどうかをチェックします。
◇カット作業ののち凍結
チェックが終わったら、約-30℃で鶏むね肉を凍結します。凍結の際には肉が塊にならないように、肉同士を少し離してバラ凍結を行います。凍結に要する時間は15~20分、各部位から出た端肉はミンチとして有効に活用し、凍結します。
鶏むね肉加工ができるスライサーを紹介
鶏むね肉を大量に加工する際は、業務用ミートスライサーを導入すると効率を高められます。例えば、アサヒ産業の「水平切機HC-A2 HC-A3」や「DIMAQ・水平切りスライサー」などが挙げられます。
◇アサヒ産業・水平切機HC-A2 HC-A3
鶏むね肉の水平カットを行えるスライサーです。機械化が困難で、これまでは人手に頼らざるを得なかった鶏むね肉の水平方向のカットですが、アサヒ産業では長年培ってきた独自の技術によって、機械化に成功しました。
それぞれの鶏むね肉の形状に合わせ、2枚スライスや3枚スライスなどを難なくこなし、作業者の負担を大幅に軽減します。さらに、分解・洗浄・メンテナンスも簡単で、本体の丸洗いも可能です。
あらゆる面での使いやすさが追求されているミートスライサーと言えます。
◇DIMAQ・水平切りスライサー
DIMAQは食品用産業機械メーカーとして知られるスペインの会社で、日本では株式会社タカミが同社のEBAKI水平切りスライサーを発売し、好評を博しています。
厚さ約0.5mmのナイフを最大10枚まで装着できる多段水平ナイフにささみなどの肉を通すことによって、瞬時に水平にカットできるのが機械の特徴で、薄切り以外にバタフライカットも可能です。
EBAKIスライサーシリーズには「mini」「1レーン」「2レーン」の3タイプがあり、ニーズに応じて選べます。
冷凍肉向けなどさまざまなタイプも
冷凍肉向けの業務用スライサーとしては、和田商事の「冷凍肉スライサーHFS-350W/380W」やニッコーの「正肉裁断装置 ワンウェイタイプ」などに人気が集まっています。
◇和田商事・冷凍肉スライサー HFS-350W/380W
和田商事は、ミートスライサーなどの食品調理機械販売とメンテナンスに従事してきたメーカーです。HFS-350W/380Wはドイツ製丸刃を採用しており、薄切りスライスでも切りくずが少なく、切れ味が持続します。処理可能温度は−1℃~−6℃、スライス速度は40~58枚/分です。
本体下部とアジャスタはステンレス製が採用されており、防錆が大幅に向上したと同時に、まな板の脱着が簡単で衛生的なのも人気のポイントです。また、手前停止電磁ブレーキが付いており、非常停止ボタンを標準装備した安全重視設計となっています。
◇ニッコー・正肉裁断装置 ワンウェイタイプ
コンパクトタイプの正肉処理装置で、牛や豚のブロック肉を7〜8㎝の角切りやミンチ素材に処理できます。作業時間を短縮して作業効率をアップするだけではなく、シンプル設計なので、洗浄も容易で常に衛生的な環境で製品加工ができます。
鶏むね肉はその高タンパク質と低脂肪の特性に加え、疲労回復に効果的なイミダペプチドやビタミン類が豊富に含まれており、旨味成分のイノシン酸も充実しています。しかし、その肉質が比較的硬いため、効率的な加工が求められることがあります。
この問題を解決するため、アサヒ産業の「水平切機HC-A2 HC-A3」やスペインDIMAQ社の「EBAKI水平切りスライサー」のような先進的な業務用食肉加工機械の使用が推奨されます。
これらの機械は、鶏むね肉を均一で美しいスライスに加工する能力を持ち、従来の手作業に比べて大幅に作業効率を向上させます。特に「水平切機HC-A2 HC-A3」は、2枚スライスや3枚スライスを簡単にこなし、機械の分解や洗浄、メンテナンスも容易にできる設計がされています。
一方で、「EBAKI水平切りスライサー」は、最大10枚の0.5mm厚のナイフを装着でき、瞬時に正確な水平カットを行い、バタフライカットも可能です。このようなミートスライサーの活用で、食品加工業者は製品の品質を保ちながら、生産性を高られます。