水産加工業とは?食品加工機械導入の有効性とおすすめ製品の紹介
公開:2024.06.28 更新:2024.06.28水産加工業は、水産物を加工し、保存性や調理の利便性を高める産業です。近年、労働力不足や消費者需要の変化、原料確保の困難さといった課題に直面しています。これらの問題を解決するため、食品加工機械の導入が重要です。効率的な生産と高品質な製品の提供を実現するためのおすすめフードスライサー製品についても紹介します。
目次
水産加工業とは?歴史や取扱品目について紹介
水産加工業は、水産物を加工し、消費者に供給する産業です。長い歴史を持ち、海や淡水で捕れる様々な魚介類や貝類、藻類などを加工して、保存性を高めたり、調理しやすくしたりしています。
この産業は、漁獲された生鮮品を直接市場に流通させるだけでなく、価値を高めて加工品としても提供することで、食品産業全体に重要な役割を果たしています。
◇水産加工業の歴史は縄文時代にさかのぼる
日本では縄文時代から水産加工が行われており、当時は塩を使った加工が行われていたと言われています。その後の飛鳥時代や奈良時代、鎌倉時代と時代が進むにつれて、沿岸域から内陸部に運ぶために長期保存の技術が進歩しました。
さらに江戸時代には私たちの生活にも馴染みのある鰹節や佃煮の製法も確立しました。これらの水産加工品は税として朝廷に納められていたことから、当時は貴重なものとされていたと言えるでしょう。
◇取り扱っている品目は多岐にわたる
島国で豊富な海産物が採れる日本では様々な水産加工品が流通しています。白身魚のすり身で作られるかまぼこは、焼く、蒸す、揚げることで異なる食感を生み出し、ゆでることではんぺん、なるととしても加工されます。
海藻類のわかめは乾燥わかめ、カットわかめ、素干しわかめなど様々な加工がなされ、特に灰干しわかめは鳴門海峡に面した地域の特産品としても有名です。
同じく海藻類の海苔は紙漉きのように加工し乾燥させることで作られています。また保存性を高めるものとして缶詰や干物が挙げられ、干物は長期保存ができるだけでなく旨味を凝縮させるのも大きな魅力です。
さらに鮮度の落ちやすいうになどは、瓶詰めの塩うにや缶詰めの蒸しうになど、うに加工品とすることで、より生活で身近に食べられるようになりました。
水産加工業が抱える問題点とは
画像出典:フォトAC
水産加工業では近年、働き手不足や消費者の需要の低下が問題となっています。さらに水産加工原料の確保についても課題があるといえるでしょう。
◇労働力不足と水産加工品の需要の低下
水産加工業は上がってきた魚をさばいて加工する日々の連続であることから厳しい労働環境とされ、労働力が集まりにくいのが大きな問題です。また近年は消費者の食への安全意識が高まり、食卓に水産加工品を並べることが減少傾向となっています。
◇水産加工原料の確保が難しくなっている現状
近年は魚の漁獲量が減少していることにより、水産加工原料の確保が難しくなっています。
これを補うためにこれまでは海外輸入による水産加工原料の確保をしてきました。しかし海外での水産物需要が拡大傾向にあることや日本の輸入価格の上昇により、近年は水産加工原料の確保が難しくなってきています。
水産加工業の課題を解決するための対策とは
水産加工業が抱える問題を解決するためにはトレーサビリティシステムや食品加工機械を導入することが安全性や効率性を高める上でも重要となります。
◇衛生面で安心感をもたらすトレーサビリティシステムの導入
原材料の調達から生産、消費、廃棄に至るまでを追跡可能な状態とするトレーサビリティシステムの導入は、食への安心を高めるものとして近年注目されています。トレーサビリティシステムでは製造に複数の事業者が関わる場合に、いつどこでどんな原材料や製品を取り扱ったなどを細かく記録し保存されます。
これにより製品の不具合などが出た場合に速やかな対処ができるため、衛生面などの安全性を高く保つことが可能となります。
◇食品加工機械の導入により人手不足を解消
食品加工業においては人手に代わるものとして食品加工機械を導入することで様々なメリットを発揮します。まず食品加工機械で効率的に作業が進むことで、少ない人員で生産性を高めることが可能となります。また機械による加工となるため、製品の品質を均一に保つことが可能です。
水産加工用のおすすめフードスライサー3選
水産加工業の人手不足を解消するにはフードスライサーなどの食品加工機械の導入がとても有効です。そこで以下では水産加工業者におすすめのフードスライサーを3つご紹介します。
◇アサヒ産業:MKシリーズ
アサヒ産業のMKシリーズは加工のバリエーションの多さが大きな魅力です。カット、スジ入れ、サイコロカットなどを行うことが可能であり、豚タンやイカリング、イカ焼き、卵焼きなど様々な食材の加工に活用されています。さらにオプションで上下のスジ入れやテンダー加工、2回通しなども加えることが可能です。
◇吉泉産業株式会社:万能スライサー YS-6500W
吉泉産業株式会社の万能スライサーYS-6500Wは万能スライサーの切れ味を残しつつも、水産及び畜産用としてパワーをプラスしているのが特徴です。力強いカットが行えるためイカ、タコ、きくらげのような弾力のある海産物でも問題なく切ることが可能です。
さらに排出コンベアにはカットされた食材が並んで出てくるため、その後の盛り付け作業や移し作業がスムーズに行える点も大きなメリットでしょう。
◇ナンカイ:HBC-2 スペシャルフードスライサー
ナンカイのHBC-2スペシャルフードスライサーは冷凍された食材でも力強くスライスできるのが特徴です。三相0.75kWのハイパワーでタコやアワビなどの食材加工にも活用されています。
さらに標準装備でドリップトレイが搭載されているため、スライスする際に機械の下にクズやドリップが溜まりません。そのため重たい機械を移動させて清掃をする必要がなく、より手間なく清潔を保てる設計となっています。
水産加工業は、水産物を加工し、消費者に供給する産業で、保存性を高めたり調理しやすくする役割を果たします。日本では縄文時代から始まり、技術が進歩し続け、江戸時代には鰹節や佃煮が確立しました。
取り扱い品目はかまぼこ、わかめ、海苔、干物、缶詰、うに加工品など多岐にわたります。しかし、労働力不足や消費者需要の低下、原料の確保難が問題となっています。トレーサビリティシステムにより、原材料の調達から製品の消費に至るまでの追跡が可能となり、食の安全性が高まります。
また、食品加工機械の導入により、生産性の向上や製品の品質均一化が図れます。 特にフードスライサーの導入は効果的で、アサヒ産業のMKシリーズ、吉泉産業の万能スライサーYS-6500W、ナンカイのHBC-2スペシャルフードスライサーなどが水産加工業者におすすめです。これらの機械は、さまざまな食材の加工に対応し、効率的で高品質な製品を提供する助けとなります。