プロが追求する理想の生ハムとは？業務用フードスライサーで最上級のスライスを実現 | 食品カッター&スライサーのパーフェクトガイド

プロの目指す理想の生ハムは、最高の風味と食感を楽しめるものです。そのためには、適切な厚みと均一なスライスが欠かせません。業務用フードスライサーは、その要求に応えるために開発され、最上級のスライスを実現します。こちらでは、プロが追求する理想の生ハムと、それを実現するための業務用フードスライサーの重要性について探っていきます。

一般的な生ハムスライスの大きさは？

生ハムスライスの大きさは、その素材や用途によって異なりますが、一般的には薄切りが一般的です。生ハムは、0.1mmから0.5mm程度の極薄スライスが一般的であり、これによって生ハムの風味や食感が最大限に引き出されます。ここでは、多くの人が美味しいと感じる一般的な生ハムスライスの大きさについて解説します。

◇一般的な生ハムスライスの大きさ

一般的な生ハムスライスの大きさは、1枚あたり14g程度、厚みは約0.7mmが主流とされています。約0.7mmの厚みには理由があり、生ハム本来の風味、食感、そして口どけを最適な状態で楽しむために計算されています。

世界3大生ハムと讃えられる「ハモン・セラーノ」、「プロシュット ディ パルマ」、そして「ハモン・イベリコ」も、この同等のグラム数です。

これらの生ハムは、長期にわたる熟成期間を経て、それぞれ独特の風味や食感を醸成します。熟成中に肉のうまみが凝縮され、適切な厚みでスライスすることで、その豊かな味わいが口の中で溶けるように広がります。

◇生ハムは薄いほどよい？

生ハムを極薄にスライスすることが、風味を最大限に引き出し、食感や口どけを楽しむ上で重要です。生ハムの本場イタリアでも同様の考えが根強く存在します。しかし、生ハムをただ薄く切るだけではなく、その切り方には高度な技術と深い知識が必要とされます。

生ハム原木は、サイズや形状に個体差があり、凹凸があるため、一定の厚さで均一にスライスすることは簡単ではありません。

イタリアでは、生ハムをカットする職人は、単に技術を磨くだけではなく、生ハムの種類、熟成度合い、肉質などについての幅広い知識を有していなければなりません。イタリアの生ハム職人は、各生ハム原木の特性を見極め、どの部位をどのようにスライスすれば最良の食感と風味を引き出せるかを知っています。

そのため、生ハムの極薄スライスは、生ハムの深い理解と経験、そして職人の技がすべて高いレベルにあって初めて可能となります。

プロがこだわる最高級のスライスとは？

画像出典先：フォトAC

プロがこだわる最高級のスライスとは、その切り方や厚さに至るまで細かな調整が施された、高品質で精密なスライスを指します。料理のプロフェッショナルは、食材の味やテクスチャーを最大限に活かすため、スライスの均一性や薄さ、そして美しい見た目にこだわります。ここでは、プロがこだわる最高級のスライスについて探ってみましょう。

◇プロが求める最高級のスライスとは

日本人で唯一のパルマハム職人、多田昌豊さんは、パルマハムの真髄を味わうためには、1枚8gの薄さでスライスすることが必須だと語ります。8gという重さは、文字通り向こうが透けて見えるほどの薄さを意味し、その厚みは約0.2～0.6mmと非常に繊細です。

この薄さには、パルマハムの豊かな風味と繊細な食感を最大限に引き出すための考えが込められています。生ハムの極薄スライスは、単に食材を薄く切る技術を超え、その製品が持つ風味、香り、そして食感を極限まで引き出すために薄さを極める必要があります。

◇パルマハム職人が8gにこだわる理由

パルマハム職人が1枚8グラムのスライスにこだわる理由は、パルマハムの潜在的な美味しさを最大限に引き出すためです。日本ではパルマハムのポテンシャルを100％引き出すスライス技術が未だに不足しています。

生ハムを適切にスライスするには、生ハムの組成を深く理解した上で、専用のスライサーを用いて行う必要があります。

生ハムの原料である豚のモモ肉は、単なる肉の塊ではなく、さまざまな肉質が集合してできています。おしりの側は脂が厚く、サシが入っていて口どけが良く、スネ側は脂肪が少なく、肉質がしっかりして味わいが濃いのが特徴です。

更に、筋膜に包まれた筋肉一束ごとに肉質が微妙に異なります。これら全ての部位を1枚のスライスに含めることが、理想的なスライスです。

理想的なスライスはスライスをナイフとフォークで切り分けるのではなく、丸ごと口に含むことで、様々な風味が重なり合い、生ハムの本来の旨味を100％堪能できるようになります。

スライスの適切な厚さとして1枚8グラムを目安にする理由は、この重さでスライスすると、豚モモ肉の様々な部位を均等に含むことができ、それぞれの肉質の特徴を一度に味わ得るからです。

透けるほどの薄さであることが、舌の上で脂が溶け出し、肉が舌にまとわりつく感覚を生み出し、味と香りが瞬時に広がります。

至高の生ハムスライスにはスライサー選びが重要

パルマハムなどの上質な生ハムを最大限に味わうためには、スライスの質が重要です。スライスの質を左右するのがフードスライサーであり、どのようなフードスライサーを選ぶかは生ハムスライスには重要です。

スライサーの選択には、電動か手動かという選択肢があり、それぞれによって異なる口当たりを楽しむことができます。

◇スライサーで最高級スライスの実現が可能に

スライサーで最高級のスライスを実現するには、直径30㎝以上の刃を備えたスライサーが必要です。この大きな刃は、生ハムのすべての部位を1枚のスライスに含めることができます。それにより、豊かな風味や生ハムの脂肪の口溶けを存分に楽しむことができます。

生ハムの異なる部位にはそれぞれ独特の風味や食感がありますが、大きな刃を使うことで、これらの部位を均一にスライスすることが可能になります。その結果、一枚のスライスに生ハムのすべての魅力が詰まった、最高級の味わいを楽しむことができるのです。

◇ 電動スライサーがおすすめのケース

電動スライサーは、そのパワーと速度で、刃の回転数が多く、摩擦熱を生じさせやすい特徴があります。この摩擦熱により、パルマハムの脂が温まりなめらかなテクスチャーを実現できます。

さらに、電動スライサーは部位ごとにスライスの厚みを微妙に調節できるため、生ハムの状態や断面の肉質に応じて精密な調整が可能です。自分の手で美味しさを生み出したい人や、スピード感が求められる場合に適しており、業務用としてレストランなどで活躍しています。

◇手動スライサーがおすすめのケース

一方、手動式スライサーは刃の回転速度が遅く、生ハムの温度を上げずにスライスできるため、やさしいテクスチャーを生み出します。

また、手動式スライサーは背板がなく、手加減の必要がないので、誰でも安定したスライスを実現できる点が魅力です。電源が不要なため、専用スタンド付きであれば、客席で切りたてを提供できるため、飲食店での使用に適しています。

生ハムのスライスは、極薄が一般的で、典型的な大きさは1枚あたり14g程度、厚みは約0.7mmです。これは、生ハムの風味や食感を最適な状態で楽しむために計算されています。プロがこだわる最高級のスライスは、パルマハムなどの品質を最大限に引き出すため、1枚8gの薄さでスライスされます。

この薄さは、生ハムの豊かな風味と繊細な食感を引き出すために重要です。最高級のスライスを実現するためには、直径30㎝以上の刃を備えたスライサーが必要であり、電動スライサーはパワーと速度で効果的ですが、手動式は細かな調節が可能で安定したスライスを実現します。 生ハムのスライスは、肉の部位や熟成度を理解し、適切なスライサーを使用することで、最高級の味わいを楽しむことができます。