食品加工機械のメーカーや製品は多種多様!それぞれの特徴や魅力をご紹介
公開:2024.01.30 更新:2024.09.30食品加工機械にはフライヤーやフードスライサー、食品乾燥機など多様な種類があり、品質向上、大量生産の実現、人件費削減といった利点があり、食品工場で広く使用されています。代表的なメーカーは、平井カンパニー、中井機械、アサヒ産業、なんつねなどです。
アサヒ産業はステンレス製の衛生的なスライサーやサイクルカッターを扱い、なんつねは自動盛り付けロボット「スコーピオン」を開発し、食品の自動盛り付けに対応しています。また、新興企業のKUIKAは、人間と協力するロボットを導入し、食品加工の自動化を進めています。
目次
食品加工機械にはどんな種類がある?メーカーとともに紹介
食品加工機械は、食品業界において重要な役割を果たす多彩な種類が存在します。これらの機械は、原材料から食品製品への変換プロセスにおいて、効率性、品質管理、安全性などを向上させるために設計されています。まずは、食品加工機械の概要や種類、製造メーカーについてご紹介します。
◇食品加工機械とは?どんな種類がある?
食品加工機械は、農産物や畜産物、水産物などの原材料を加工し、食品の見た目や形を整えるために使われる業務用の機械です。主に食品工場で使われており、1つの製品を作る際には、複数の食品加工機械が組み合わされることが一般的です。
これらの機械には、フライヤー、フードスライサー、食品乾燥機など、さまざまな種類があります。それぞれの加工工程や食品の種類に応じて、適切な機械が選ばれて使用されます。
食品加工機械を導入することで、いくつかのメリットが得られます。例えば、高品質な製品の生産や、製品の均一性と安定性を確保でき、大量生産が可能になります。また、人手を減らすことで、人件費の削減にもつながります。
◇食品加工機械メーカーの製品を一斉紹介
食品加工機械メーカーは数多くあります。続いては4つのメーカーとその会社が提供する製品をいくつかピックアップしてご紹介します。
平井カンパニー
平井カンパニーは加工機械の販売だけでなく、充実したアフターサービスやメンテナンスを提供し、末永く利用できる体制を整えています。大型・定量・中型スライサーやミートチョッパーはもちろん、加工調理ができるスチームコンベクションオーブンやミキサー、サニタリーコンベアなどを提供しています。
中井機械
中井機械は、大正4年に創業の老舗食品加工機械メーカーです。時代やニーズの変化に柔軟に対応し、あらゆる分野の商品を提供しています。切る・蒸す・炊く・漬ける・混ぜるなどをはじめとした機械をラインナップし、和菓子や洋菓子、製菓製パン、お惣菜などの製造をサポートしています。
アサヒ産業
食品加工機械のパイオニア、アサヒ産業は顧客のニーズに沿った提案と機械のカスタマイズが可能です。すべての機械がオールステンレス製のため水洗いができ、衛生状態の管理が容易です。ミニマルチスライサーやサイクルカッター、水平切機のほか、素材の形を生かすレシプロスライサー、プレス機などを用意し、豊富な加工バリエーションを提供しています。アサヒ産業については後ほど詳しくご紹介します。
なんつね
なんつねは、世界で初めて薄切り肉用生肉切断機の製造・販売を行った会社です。定量スライサーや冷凍スライサー、開封・脱水機などをラインナップし、生産性・品質向上や省人化の要望に対応しています。斜め・角に切ったり、ミンチ・筋切りしたりなどが可能です。
食品加工機械の代表的なメーカー
画像出典先:ワタナベフーテック
続いては、食品加工機械メーカーの中でも多数のフードスライサーを提供している2つのメーカーについて更に詳しくご紹介します。
◇アサヒ産業
アサヒ産業は、魚介類、畜肉、野菜など、さまざまな食材を加工する機械を提供しています。衛生面を最優先としており、HACCPに対応した製品を取り揃えています。これらの機械はサビに強いステンレス製で、丸洗いが可能なため、清潔さを保ちやすいのが特徴です。
さらに、アサヒ産業は顧客のニーズに合わせて最適な機械と仕様を提案し、既存の製品をベースに、特別な要件に対応したオリジナル設計やカスタマイズを行っています。これにより、機械の性能を最大限に引き出すことが可能です。以下に、アサヒ産業が提供するフードスライサーの一部をご紹介します。
ミニマルチスライサー
このスライサーは、オリジナルの多層刃を搭載しており、瞬時に素材を切断する抜群の切れ味を持っています。さらに、冷凍や半解凍の食材でも手間なく加工でき、生のまま加工可能です。メンテナンスも容易で、工具を使用せずに分解と洗浄が行えるため、衛生的です。
ベルトと刃物が独立駆動なので、原料に合わせてセッティングが可能で、安全装置も備えています。コンパクトなサイズなので、狭い作業場でも十分に活用できます。さらに、オプションでミートテンダー仕様に変更可能です。
サイクルカッター
カットから表面スジ入れ、テンダーなど、多くの加工バリエーションに対応可能で、加熱食品などの繊細なカッティングに優れています。作業効率の向上、操作性の良さ、メンテナンスの簡単さ、分解と洗浄の容易さなど、使いやすさを追求しました。送りコンベアにより品物の連続投入が可能で、コンベアや刃物ユニットは工具を使用せずに脱着可能です。
水平切機
スライス寸法を簡単に調整でき、帯刃の回転速度やコンベアの速度も自由に変更可能です。コンベアベルトや帯刃は工具を使用せずに脱着できます。1段切りと2段切りの2タイプが利用可能です。
◇ワタナベフーテック
昭和13年に創業したワタナベフーテックは、食品加工機械分野で高い評価とシェアを誇る企業です。特に、食肉加工向けのスライサーやミンチ機は、全国の食肉店や大手スーパーマーケット、冷凍食品工場などで幅広く活用されています。
製品の導入後も、顧客の安心を第一に考え、ビフォアメンテナンスとアフターメンテナンスの両方を提供し、長期的なサポート体制を整えています。以下では、ワタナベフーテックのフードスライサー製品について詳しくご紹介します。
ポーションカッター
ポーションカッターは、高精度なスキャニング技術を使用して、X線検査装置の推定質量機能により透過画像からカット位置を算出します。これにより、原料の裏面や内部空洞をフルスキャンし、高精度なカットを実現します。
また、金属や石、ガラス、硬骨などの異物を高感度に検出し、品質管理を強化します。専用の特殊刃を使用して、鶏肉の皮を損傷させずにカットでき、多彩なカットモードと一次カットと二次カットの組み合わせた運用で歩留まり率を向上させることができます。さらにコンパクトなデザインで、洗浄時には刃物やベルトを簡単に分解洗浄できるため、衛生的な運用が可能です。
アストロン Sライン
アストロン Sラインは、大容量の投入側タンクを備え、長さ1200mmというロングな設計で、高速スライススピード(300shot/分)を実現し、生産性を向上させます。大型のカバーが安全距離を確保し、刃物部へのアクセスを防ぎ、セーフティセンサにより安全性を確保します。さらに、制御安全を強化し、機械の安全性と信頼性を高めました。搬出部にも大型の固定カバーを設置し、機械の不意な作動を防止します。
新しい食品加工機械を開発するメーカー
スライサーやフライヤーなどの従来の食品加工機械ではなく、新しいロボットを開発するメーカーもあります。最後になんつねとKUIKAが開発する新しい加工機械をご紹介します。
◇なんつね
なんつねは、新たな加工機械として自動盛り付けロボット「スコーピオン」を開発しました。スコーピオンは、コンベア上に配置された肉をロボットハンドで正確に盛り付ける機械で、2つのカメラでスライスされた肉の状態と最終的な配置を監視し、精密な作業を行います。
さらに、独自に開発されたハンドユニットにより、肉を折り曲げたり、列状に盛り付けたりする柔軟な操作が可能です。これにより、焼肉や薄切り肉など多様な製品の加工が実現できます。処理能力は、肉質や厚さによって異なりますが、最大で1時間に800パックを処理可能で、作業者のスキルに依存せずに安定した生産を提供します。
◇KUIKA
KUIKAが取り組むヒューマン・ロボット・コラボレーション(HRC)は、新しいアプローチの自動化ロボットで、人間と機械が協力して作業を行うものです。具体的には、人間が生産を管理・監視し、コラボレーションロボットは人間には向かない作業を行います。これらのロボットは非常に精密なタスクをこなせるため、人の近くで作業し、人と協力して仕事を遂行可能です。ロボットが人間の代わりになるのではなく、人間の能力を補完する役割を果たします。
食品加工機械は、原材料を加工して食品の見た目や形状を整えるための業務用機械で、主に食品工場で使用されます。代表的な種類として、フライヤー、フードスライサー、食品乾燥機などがあり、これらの機械は高品質な製品の生産、効率性の向上、人件費の削減といったメリットがあります。
平井カンパニーはスライサーやミキサーを提供し、充実したアフターサービスを特徴としています。中井機械は、和菓子、洋菓子、お惣菜などの製造をサポートする老舗メーカーとして知られています。アサヒ産業は、衛生的でカスタマイズ可能な機械を提供し、特に食品の衛生を重視しています。なんつねは、薄切り肉用の生肉切断機を提供し、生産性向上と省人化に対応しています。
アサヒ産業のフードスライサーには、ミニマルチスライサーやサイクルカッター、水平切機などがあり、これらは衛生的でカスタマイズが可能です。ワタナベフーテックは、ポーションカッターやアストロンSラインを提供し、高精度なカットと品質管理を強化しています。
また、新しい加工機械の開発においては、なんつねが自動盛りつけロボット「スコーピオン」を開発し、肉の盛りつけに使用しています。KUIKAは、ヒューマン・ロボット・コラボレーション(HRC)を推進し、機械と人間が協力して作業する新しいアプローチを追求しています。