水産加工に特化したタイヨー製作所の業務用フードスライサー
公開:2023.11.17 更新:2023.11.17株式会社タイヨー製作所は1967年北海道函館で創業した食品加工機械メーカーです。水産加工を中心に農産、畜産機械も手掛けています。幅広い製品群と技術開発で業界内での地位を築き、国内外に販路を拡大しながら、継続的な技術革新を行っているメーカーです。
食品加工業界は常に革新を求められる分野です。水産加工においても、効率的な生産と品質の向上が重要視されています。このニーズに応え、業界の発展を牽引しているのが、北海道函館に本拠を置く株式会社タイヨー製作所です。
同社はイカ珍味加工プラント、サケ加工プラントなど、多岐にわたる水産加工機械を開発してきました。その技術力と革新性は、国内はもちろん、世界市場においても高い評価を受けています。
こちらでは、タイヨー製作所の歴史と、その製品群がどのように食品加工業界に影響を与えているかを紹介します。
目次
水産加工業に特化したタイヨー製作所
株式会社タイヨー製作所は、1967年に北海道函館で創業した食品加工機械の専門メーカーです。創業時はイカをスルメに加工するための熱風乾燥機の開発を行っていました。
これを皮切りに、同社は水産加工機械分野での技術革新に力を注ぎ、イカ珍味加工プラント、鮭加工プラント、ホタテ加工プラントなど、多種多様な魚貝類の諸加工機械を創意工夫のもとに開発してきました。
タイヨー製作所の製品は、水産業界のみならず、農産や畜産など幅広い食品加工機械の開発・製造・販売に及んでいます。これにより、同社は全道屈指の食品加工機械メーカーとしての地位を確立しました。
また、業者のニーズを的確に捉え、工場全体の機械配置や生産工程までアドバイスするコンサルタントとしての立場も確立しています。
創業当初からの熱風乾燥装置メーカーとしての経歴に加え、現在では乾燥、カット、専用処理の開発など、多岐にわたる機械分野での実績があります。さらに、複合的なプラントの手掛けることにも力を入れており、日本国内はもちろんのこと、海外への販路も拡大しています。
タイヨー製作所は、既存の製品のみならず、常に顧客から求められる製品開発に取り組んでおり、これにより付加価値の向上に尽力しています。
水産加工機械は不定形の原料で塩水を使うという過酷な使用環境の中でも、単純ながらも信頼性の高い機械作りを心がけ、このこだわりが海外市場にも受け入れられています。
創業間もない頃から海外市場にも目を向け、北米、南米、ロシア、東南アジア、欧州など全世界に販路を拡大してきました。初めての海外展開は韓国への進出で、その後、タイ、ベトナムを始めとするアジア全域、さらには太平洋圏を中心とした様々な魚種に関する取引を展開しています。
水産・食品加工業界は、生産コスト削減や人手不足問題に直面しており、多くの業界で生産拠点のシフトが加速化しています。このような環境の中、タイヨー製作所は道内50%、本州30%、輸出20%という多極化した販売構成比を持ち、ますます競争が激化する市場環境においても、技術開発への取り組みを通じて業界内での地位を確固たるものにしています。
北海道立工業技術センターとの共同研究も積極的に行い、会社を挙げて技術開発に力を注いできた結果、水産加工の分野で培ったノウハウは単体機械や水産の分野に留まらず、工場全体の設備や商品開発についても提案しています。
タイヨー製作所は、共に新しい機械、新しい商品を作り上げ、業界に新たな価値を提供し続けています。
タイヨー製作所のサケ加工スライサー
鮭の加工において、効率的で安全なカッティングが求められます。そのニーズに応えるために、タイヨー製作所はさまざまな製品を提供しています。以下、その代表的なサケ加工スライサーについて紹介します。
◇鮭トバスリーバー
このカッターは鮭のトバ部分を加工するために設計されていますが、他の魚種のカッティングにも適しています。切り幅や取出コンベアーの長さはカスタマイズ可能で、顧客の希望に合わせて製作されます。標準的な切り幅は13mmですが、要望に応じて調整できます。
◇全自動ヘッドカッターTAH-604型
この装置は、サケをトレイに乗せるだけで簡単にカットできる全自動ヘッドカッターです。レーザービームがカット位置をガイドし、誰でも安全かつ正確にサケの頭切りが行えます。熟練を必要とせず、作業効率を向上させます。
◇鮭ヘッドカッター100LA,LB型
このカッターは鮭の頭を切り落とすのに使用されます。刃物が上下し、タイマーで全自動操作またはフットスイッチで足踏み操作が可能です。オプションでブリ用U字カットやカマ用斜めストレートカットなども提供されています。
◇TMスライサー F-II型
直切りから斜め切りまで、さまざまなカット角度に調整可能なTMスライサーです。投入の機構は固定マナ板式とベルトマナ板式から選択でき、切り幅も広く調整可能です。取り出しコンベアーにより、原料は整列して取り出せます。
◇タイヨー製作所のイカ加工スライサー
タイヨー製作所は、イカ加工に特化した機械を提供することで知られています。その製品群は、イカの半割りから引裂き、さらに魚類の皮剥ぎまで多岐にわたります。ここでは、その主要な機械について詳しく解説します。
◇半割スライサー W450-S型
この半割スライサーは、自動求心装置を使用して、さまざまな厚さのイカを調整なしで効率よく半割することができます。エンドレスバンドナイフと砥石研磨の組み合わせにより、連続的かつ精密な加工が可能です。
◇いか連続加工機(兼用)ST-951
ラウンドいかの胴体を裁断し、ゴロ付き足を分離する作業を行います。ゴロは目下でカットされ、足を分離でき、ツボ抜き作業もワンタッチ方式で簡単に行えます。
◇イカ引裂機(生産ライン用および実演販売用)
生産ライン用のイカ引裂機は、連続して均一な裂きイカを生産するための機械で、毛羽立ちが良くボリューム感のある製品を提供します。切り幅の調整は従来のラチェット式に加え、より静かなスピードコントローラー式が用意されています。
また、機械内部はアルコール洗浄やスチーム洗浄が可能です。
実演販売用のイカ引裂機は、機械内部が透明カバーで見えるため、裂いている様子が一目で分かります。これは集客アップにも寄与します。電力仕様は標準で100Vであり、変更も可能です。
◇魚類皮すき機(サニタリータイプ)小型W300-BS/大型W450-BS
スキミ、フィッシュブロック、サーモン、刺身用イカなどを処理するための万能皮すき機です。多輪押えローラーで材料を確実に抑え込みながら、エンドレスバンドナイフと砥石研磨の組み合わせにより、すき皮の厚さを調整できます。
サニタリー式でベルトの脱着も簡単に行えるのが特徴です。
株式会社タイヨー製作所は食品加工機械の革新に尽力し、特に水産加工機械の分野で優れた成果を上げています。イカ、サケ、ホタテなど多様な魚貝類の加工機械を開発し、生産効率と食品品質の向上に貢献しています。これらの製品は、国内外の市場で高い評価を受けています。
代表的な製品として、半割スライサーW450-S型、いか連続加工機ST-951、イカ引裂機(生産ライン用および実演販売用)、魚類皮すき機(サニタリータイプ)小型W300-BS/大型W450-BSなどがあります。これらの機械は、革新性、信頼性、そして顧客のニーズに応じたカスタマイズにより、広く市場に受け入れられています。