業務用フードスライサーとは?導入時の確認ポイントを解説
公開:2023.11.01 更新:2023.11.21フードスライサーには、食品の種類、希望するカットのサイズや形状、処理能力に応じて、手動タイプから電動タイプまで様々な種類があります。業務用フードスライサーは飲食店、食品加工業者、商業施設、スーパーなどの食品販売業で利用されており、業種業態ごとに重宝されています。
目次
業務用フードスライサーとは?
フードスライサーは、肉、魚、野菜などの固形食品を薄切り、短冊切り、おろし、ダイスカットなどに加工する機器や器具を指します。これを使用することで、食材の形を揃えたり、量を減らしたり、調理時間を短縮したり、味付けをしやすくするなどの利点があります。
フードスライサーは料理の下準備を一括で行う便利な調理用ツールです。一般家庭での利用されていますが、業務用のものはさらに強力で素早く処理でき、食材の風味や質感を保持しやすいです。
業務用のフードスライサーは飲食店から食品加工業まで導入者のすそ野は広く、その用途は多彩です。食品の切り方を細かく調整でき、微妙な食感の違いを生み出すことが可能です。専用スライサーを使うと、野菜を素早く切り分け、鮮明な断面を作ることができます。これは生野菜のスライスにも適しています。パンやケーキの生地、ギョウザの皮、ピザ生地なども手作業に比べて簡単かつ迅速に作成可能です。
選択する際のポイントとして、最初に確認すべきは調理可能な容量です。よく使う食材を中心に、それぞれの食材に対する処理容量をチェックしましょう。中型、大容量、または使いやすいハンディタイプなど、用途に合わせて選ぶことが大切です。
飲食店なで利用する場合は必要なアタッチメントが付属しているかどうかも重要な点です。食品加工業者が導入する業務用では、補充品がすぐに手に入るかどうかも考慮する必要があります。また、付属の掃除用具があれば、お手入れも楽になります。
スライサーの種類・原理・使用用途について
加工する食材ごとに様々なスライサーがあります。様々な業務用スライサーの種類を説明します。
スライスの原理は、対象の食材をその形状にあわせて固定させ刃物で切断するものが一般的です。
食材の性状や加工内容、安全性、メンテナンス性の観点から、各メーカーがノウハウを結集してスライス技術を進歩させています。
近年では、超音波を活用したカッティングやウォータージェット(超高圧水)による加工技術も製品化されています。
また形状加工においては、1枚(ピース)あたりの厚さを調整できるだけでなく、1枚当たりの重量を揃える機能(定量機能)を備えた製品もあります。
◇食肉加工用スライサー
食肉加工用スライサーは、食品加工に使われる機器の一つで、主に肉やソーセージを一定の厚さにスライスするために設計されています。この機器は、回転する円形の刃を使って肉を均等に切断します。特に食品サービス業界や肉加工業界での需要が高いです。
さらにミートスライサーは、ユーザーが切りたい厚さに合わせて調整可能な設計が多く、スライスの均一性と効率性を高めています。一部のモデルには安全機能も備わっており、使用時の事故リスクを低減します。また、これらの機械は、業務用から家庭用まで幅広いモデルがあり、サイズや機能が異なります。業務用のものは大量の肉を迅速に処理できるように大型で強力なモーターを備えていることが一般的です。一方、家庭用モデルはサイズが小さく、簡単な操作で日常の食事準備に便利です。清掃と保守のしやすさも、これらの機器を選ぶ際の重要な考慮点となります。
・チルド肉用スライサー
柔軟性を持つ生肉を対象に、変形を最小限に抑えつつ一定の厚さにスライスするためのスライサーです。
・冷凍肉用スライサー
硬い冷凍肉を効率的に切るために、素材をしっかり固定しながら強力な刃とモーターを使用して均等にスライスします。
・鶏肉用スライサー
鶏肉スライサーは、鶏肉の特有の形状に適合するように設計された専用の機械で、鶏肉のスライスに特化しています。
◇野菜用スライサー
野菜スライサーは、葉物から根菜までさまざまな種類の野菜を効率良く、大量にカットするのに適しています。マルチスライサーは、ほとんどの種類の野菜をスライスできる多目的な電動機器です。この機械は、機種によって異なりますが、通常は機械の後部(または前部)から野菜を刃に向かって押し当て、スライス処理を行います。
◇ケーキカッター
ケーキカッターは、円形、長方形、正方形など、様々な形状のケーキを均等に分割することができます。ロールケーキや三角形のショートケーキ、キューブ型など、多様なカットスタイルに対応しています。
◇チーズシュレッダー
チーズシュレッダーは、ソフトチーズからハードチーズまで、迅速に大量処理できる機能を持っています。また、バターや豆腐のカットにも使える製品もあり、1台で多種多様な食品のカットニーズに応えることができます。
スライサーの選定ポイント、導入時の確認ポイントについて
スライサーを選ぶ際、まず考慮すべきは、加工する食材の種類や特性に合った仕様を持つものを選ぶことです。例えば、野菜のように硬さやカット方法が多様な食材を扱う場合、それに適したスライサーを選ぶ必要があります。また、必要な処理能力を事前に明確にし、それに合った機器を選択することが重要です。
安全性も大きなポイントです。スライサーは刃物を使用するため、操作者の熟練度に合わせた安全機能が備わっているか確認することが必要です。例えば、安全カバーなどの安全対策が施されているかどうかです。また、スライサーを使用する際は、主に生の食材を扱うため、サニタリー性も重要です。装置が熱湯洗浄や除菌、殺菌が可能な仕様であるか、また分解が容易かどうかもチェックする必要があります。
導入後のトラブル事例として、スライサーの円盤刃の固定が不適切で、装置起動時に内部と干渉し鉄粉が発生、結果として原料を大量廃棄する事態があります。このような事例の原因は、円盤刃の取り付け位置が目印のみであり、正確な位置決めが行われていなかったこと、また生産開始前の点検が機能していなかったことにあります。これに対する対策としては、円盤刃の取り付け位置を治具などを用いて正確に設定し、生産開始前の設備点検を徹底することが挙げられます。特に、装置の起動音や干渉の有無を目視で点検することが重要です。
フードスライサーは、肉、魚、野菜などの固形食品をスライスするための器具や機器で、食材の形を整え、調理時間を短縮し、味付けを容易にします。業務用モデルは特に強力で、食材の風味や質感を保ちやすく、食品サービス産業や食肉加工業で広く使用されています。スライスの原理は、食材を固定して刃物で切断することであり、超音波やウォータージェットを用いた先進技術も登場しています。スライサーは肉、野菜、ケーキ、チーズ用など様々な種類があり、それぞれ特定の食材に適した仕様を持っています。
スライサーを選ぶ際は、食材の種類や特性に適したモデルを選ぶことが重要です。また、処理能力、安全性能、サニタリー性も重要な選定ポイントです。導入後のトラブルを防ぐためには、装置の正確な組み立てと生産開始前の点検が必要です。これにより、円盤刃の固定不良や内部干渉などの問題を避けることができます。
フードスライサーの導入には正確で多彩な視点から検討することが重要でしょう。各社の比較情報は大切な参考情報になります。導入の指針として参照してみましょう。